1990年代アメリカ、都市郊外の名もなき町。高校の卒業式を迎えた、幼なじみで親友のイーニド(ソーラ・バーチ)とレベッカ(スカーレット・ヨハンソン)。バカな同級生たちともいよいよお別れ。しかし、高校を卒業したからといって、退屈な街で心が満たされることはないし、気持ちわるい大人たちの仲間入りもお断り。二人は進路も決めず、あてもなく町をぶらついては面白いことを探して過ごしている。
ある日、お気に入りの50年代風ダイナーに入り浸っていた二人は、新聞の出会い系広告を見つける。いたずらで広告主を呼び出してみると、現れたのはいかにもモテなさそうなダサい中年男・シーモア(スティーブ・ブシェミ)。しばらく待ちぼうけを食らっていた彼は、やがて自分が騙されたことに気づくと怒って店を出て行ってしまうが、すかさず二人は男を尾行して自宅を突き止める。
後日、ふたたび男の家を訪れると、ガレージセールを行っているシーモアの姿があった。彼はブルース・レコードのコレクターで、ブルースについて喋り出すと止まらなくなるのだった。孤独でも自分の世界に生きるシーモアに関心を持ったイーニドは、彼の”理解者”として交流を深め、奇妙な友情関係を築いていく。一方、アパートを借りるために地元のコーヒーショップに就職し、社会と折り合いをつけて自立しようとするレベッカは仕事中心の生活になっていく。同居を計画していた二人の間には次第に距離が生まれ……。