フランス、パリのジャック・ルコック国際演劇学校にて出会い、1987年に結婚。ベルギーのブリュッセルやフランスのパリを拠点に道化師として活躍。1980年代から創作演劇で世界各地を巡業する。1990年代より、同じ道化師出身の監督ブルーノ・ロミと3人で短編映画の制作を開始。
2005年、長編映画第1作『アイスバーグ!』を発表。氷に魅せられた女性が氷山を目指して旅に出る物語をセリフがほとんどないサイレント・コメディに仕立て上げ、コロンビア・ボゴタ映画祭作品賞、アメリカ・シアトル国際映画祭主演女優賞(ゴードン)を受賞するなど好評を得る。2008年には長編第2作『ルンバ!』でカンヌ国際映画祭の批評家週間に参加。日本では、2010年に『アイスバーグ!』と『ルンバ!』が公開された。2011年に発表した『La Fée』はカンヌ国際映画祭にて封切られ、世界40か国以上で配給。ハンプトン国際映画祭長編劇映画部門で最優秀作品賞を受賞した。
道化師出身ならではの喜劇を身体表現で魅せる作風は、しばしばチャップリン、タチ、キートンらの名を挙げて評されると同時に、それらどれにも属さない独創的なスタイルとして世界の映画シーンで注目されている。
1994年 『Merci Cupidon』(短編)
2000年 『Rosita』(短編)
2000年 『Walking on the Wild Side』(短編)
2005年 『アイスバーグ!』※
2008年 『ルンバ!』※
2011年 『La Fée』※
2016年 『ロスト・イン・パリ』
※ブルーノ・ロミ共同監督作
裁縫業ののち女優を志し、パリで舞台に立つ。『大家族』(58)で映画デビュー。アラン・レネ監督、岡田英次共演の『二十四時間の情事(ヒロシマ・モナムール)』(59)で日本でも広く知られることに。また、当時リヴァ自身が撮影の合間に広島の情景を捉えた写真が2008年に写真集として刊行された折には日本で展覧会も開かれ、50年ぶりに来日を果たした。『Therese Desqueyroux(原題)』(62)では、ヴェネチア国際映画祭女優賞に輝く。その後も舞台と並行して『栄光への5000キロ』(69)や『トリコロール/青の愛』(93)、『華麗なるアリバイ』(07)などに出演。近年では、難役に挑んだミヒャエル・ハネケ監督作『愛、アムール』(12)が世界中で大絶賛され、第85回米国アカデミー賞® 主演女優賞に史上最年長でノミネートされた。病気療養中の2017年1月27日、89歳にして死去。
1934年、パリ生まれ。ヴァランシエンヌで大学入学資格を取得したあとパリへ戻り、舞台俳優としてデビュー。1950年代後半、ミュージック・ホールなどで、ヴィクトル・ラヌーなどと共演。ボビノ座ジョルジュ・ブラッサンスの前座を務める。テレビ番組出演を経て、『ぐうたらバンザイ!』(68)で映画デビュー。『おかしなおかしな高校教師』(74)、『冒険喜劇 大出世』(75)、『3人の逃亡者 / 銀行ギャングは天使を連れて』(86)、『シェフ・イン・ラブ』(96)などのコメディ映画に主演。1970年より監督、脚本も手がけ、1974年には自身のプロダクションを設立。フランスの映画界において最も素晴らしいコメディ俳優・監督・脚本家のひとりである。近年の代表作は『幸せはシャンソニア劇場から』(08)、『みんなで一緒に暮らしたら』(11)など。
フランス、パリのジャック・ルコック国際演劇学校、フィリップ・ゴーリエ国際演劇学校などで学んだのち、1992年にアメリカのバーニー・コリンズとコメディデュオ・BP ZOOMを結成。彼らはポエテオ・バーレスク(詩的風刺劇)の最も有名なデュオであり、結成以来、フランスのみならず世界中で数百もの公演を行い、日本にも5度来日している。カンヌ、メーレス、バルセロナ、ブエノスアイレスなど、様々な芸術祭や大道芸イベントで受賞歴を持ち、メディアからは「ローレル&ハーディのサイレントバージョン」とも評される。マルツはジャック・ルコック国際演劇学校でアベル&ゴードンと出会い、『Rosita』(00)、『アイスバーグ!』(05)、『ルンバ!』(08)、『La Fée』(11)の4作品に参加している。
どんな境遇、状況であろうと、誇りとユーモアと思いやりを持って自由に生きる人は美しい。そんな風に思えるバーレスク・コメディだ。それにしても「ラストタンゴ・イン・パリ」をあのシーンで使う選曲センスには脱帽!
青野賢一
ビームス創造研究所クリエイティブディレクター
ジャック・タチの笑いを受け継ぐ、ハリウッドではつくらないコメディー! 今の時代に、昔からある人間の本質に根付く、そして言葉を必要としないアナログ的な笑いで映像を綴っていることは、本当に嬉しく思います。
が~まるちょば
サイレントコメディー・デュオ
出てくる人たちが、あまりにも自由なので家に帰るのがイヤになる。なのにラストシーンで、むしょうに私を待つ人の元へ帰りたくなってしまった。
木皿 泉
脚本家
『地下鉄のザジ』もしくは『プレイタイム』のように初めてパリにやって来た女性が、『素晴らしき放浪者』のような天衣無縫の男性と出会い、『ラストタンゴ・イン・パリ』のテーマ曲の流れる中、パリの街やセーヌ川を舞台におかしな二人が繰り広げる『アタラント号』のような恋愛映画。
小柳 帝
編集者・ライター
まず、登場人物の動きが面白くて、画も可愛い。偶然が玉突きを起こしてめぐり会う人生。セーヌ川に放り出されたシャンパンボトルのように寄る辺のない者達の話だけど辛気臭さはまったくない、じつに楽しい映画ですよ!
堀込高樹
KIRINJI / ミュージシャン
アベル&ゴードン夫妻の作品において、自由に躍動する身体。あたかもサイレント映画のごとく、身体の動きがストーリーに直結する、シンプルで心地よい感覚に満ちている。この小さな冒険譚に、しばし我を忘れてほしい。
伊藤 聡
海外文学批評家
狐につままれたような世にも不思議な映画体験!!
ハラハラドキドキの展開を固唾をのんで見守りながら、気がついたら足でステップを踏んでいる自分がいました。
菊池亜希子
女優・モデル
パリの空の下、古いタンゴやワルツ、そしてスウィングやフォックストロット。素敵な音楽に乗って、セーヌ河もエッフェル塔も、リアルとファンタジーが行ったり来たり。清潔な静けさとユーモアが幸せな気分を運んでくれます!
コシミハル
ミュージシャン
笑いのツボは違うけれど、軽快なテンポに乗った、エスプリの効いた会話に導かれて、最後はほっこりクスッと、やられちゃう。
ふかわりょう
タレント
絵本みたい。フランスのお菓子みたい。独特の文法、様式美があり、登場人物イイ。むかし小劇場で観た藤子・F・不二雄先生の短編マンガ調で演じる小劇団を思い出しました。
堀 道広
うるし漫画家
足の動きひとつで心がはねあがるとは、人間って一部一部が面白いんだなぁ。 川で溺れても誰かにむかついても、涙がとまらなくても誰かを愛してしまうパリの夏。さてなんでだろう!
真舘晴子
The Wisely Brothers / ミュージシャン