ペトラは静かに対峙する

受賞
カタルーニャの乾いた大地で繰り広げられる、
逃れられない悲劇の連鎖。

2019.6.29(土)より
新宿武蔵野館、アップリンク吉祥寺ほか
全国順次公開

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NEWS

TRAILER

INTRODUCTION

カタルーニャの乾いた大地で繰り広げられる、人間の闇をえぐる怪作サスペンス

作品制作のために著名な彫刻家ジャウメの邸宅にやってきた画家ペトラ。彼女の本当の目的はジャウメが自分の父かどうか確かめることだったが、接するうちに、彼が権力を振りかざす、冷酷な人物であることがわかってくる。そんな中、一家の家政婦が謎の自殺を遂げる。そこから始まる、長い負のスパイラルにペトラも巻き込まれていくのだった……。時系列が前後する章仕立てのストーリー展開により、パズルのピースをはめていくように徐々に明らかになっていく家族の秘密に震撼させられる。

イントロダクション1
イントロダクション2

カンヌ常連の気鋭監督のもとに、スペイン映画きっての実力派俳優陣と世界的に名を馳せるスタッフが集結

監督のハイメ・ロサレスは長編6作品のうち、5作品がカンヌ国際映画祭に選出されたスペイン人映画作家。主演は『マジカル・ガール』(14)でゴヤ賞主演女優賞を獲得し、本作でヨーロッパ映画賞最優秀女優賞にノミネートされたバルバラ・レニー。複雑な心情を持つヒロインを繊細な表現で演じ切った。悪の権化であるジャウメは、なんと77歳にして本作で演技デビューを果たしたジョアン・ボテイ。さらに2018年に名誉ゴヤ賞を受賞したスペインの大女優で、ペドロ・アルモドバル監督作の常連マリサ・パレデスがジャウメの妻役を演じている。撮影にエレーヌ・ルヴァール(『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』『幸福なラザロ』)、音楽にクリスチャン・エイネス・アンダーソン(『アンチクライスト』『メランコリア』)も加わり、緊張感と不穏な空気をまとった、人間の闇や業をえぐる怪作がここに誕生した。

STORY

カタルーニャ州ジローナにある著名な彫刻家・ジャウメの邸宅に、画家のペトラがやってくる。ジャウメの妻・マリサに「アトリエでジャウメと作品制作をする」と挨拶するペトラだが、彼女の本当の目的はジャウメが自らの実の父親かどうか確かめることだった。創作活動のかたわら、マリサや、ジャウメの息子で写真家のルカス、ジャウメ一家の家政婦・テレサとその家族など、ジャウメの周囲の人間と親交を深めていくペトラ。そのうちに、彼が権力を振りかざす、冷酷な人物であることが浮き彫りになってくる。ある日、テレサが謎の自殺を遂げる。皆が悲しみに暮れるなか、テレサの死に関係する、父ジャウメの非道な秘密を知ってしまったルカスは家族のもとから去っていく。やがてペトラは一家の悲劇の連鎖に巻き込まれていくのだった……

STAFF / CAST

ハイメ・ロサレス

監督/脚本 ハイメ・ロサレス JAIME ROSALES

1970年、スペイン・バルセロナ生まれ。ESADEビジネススクールで経営経済学の学士を取得後、1996年ハヴァナのサン・アントニオ・デ・ロス・バニョス キューバ国際映画テレビ学校(EICTV)の奨学金を得て映画を学び始めた。その後、シドニーのオーストラリア映画テレビ・ラジオ学校(AFTRS)に入学。2000年に製作会社Fresdeval Filmsを設立し、監督としてキャリアをスタートした。

Filmography

  • 2003年 The Hours Of The Day (103分) カンヌ国際映画祭ある視点部門正式出品 国際批評家連盟賞受賞
  • 2007年 ソリチュード:孤独のかけら (Solitary Fragments/135分/シネフィル・イマジカで放映) カンヌ国際映画祭ある視点部門正式出品
  • 2008年 Bullet In The Head (85分) サン・セバスチャン国際映画祭コンペティション部門正式出品 国際批評家連盟賞
  • 2012年 The Dream And The Silence (120分) カンヌ国際映画祭監督週間正式出品
  • 2014年 Beautiful Youth (102分) カンヌ国際映画祭ある視点部門正式出品 エキュメニカル審査員賞スペシャル・メンション受賞
  • 2018年 ペトラは静かに対峙する (Petra/107分) カンヌ国際映画祭監督週間正式出品
ペトラ

ペトラ バルバラ・レニー Barbara Lennie

1984年4月20日、スペイン・マドリッド生まれ。2001年、15歳で映画デビュー。2005年にモンチョ・アルメンデス監督作『オババ』で映画初主演し、ゴヤ賞最優秀新人女優賞にノミネート。それ以来、テレビと映画で活躍する。2014年『マジカル・ガール』で主演し、ゴヤ賞最優秀女優賞を受賞。同年、ダニエル・モンソン監督作『ザ・トランスポーター』にも出演し、ゴヤ賞最優秀助演女優賞にノミネート、ガウディ賞助演女優賞を受賞。2018年カンヌ国際映画祭のコンペティション部門オープニング作品、アスガー・ファルハディ監督『誰もがそれを知っている』にも出演している。ほか主な出演作に『私が生きる肌』(11)、『フリア よみがえり少女』(12)、『インビジブル・ゲスト 悪魔の証明』(16)、『家族のように』(17)。

ルカス

ルカス アレックス・ブレンデミュール Alex Brendemuhl

1972年11月27日、スペイン・バルセロナ生まれ。バルセロナの演劇学校で学士号を取得するとともに、ファゴットとサクソフォーンの音楽理論を学ぶ。『A Bench In The Park』(98)で映画デビュー。『Me』(07)と『The Silence Before Bach』(07)で2008年サン・ジョルディ賞の最優秀男優賞を受賞。また初監督短編『Rumbo a peor』が2009年カンヌ国際映画祭に正式出品された。2010年には『The Two Lives Of Andres Rabadan』でガウディ賞最優秀男優賞を受賞した。近年の出演作は『ペインレス』(12)、『しあわせな人生の選択』(15)、『ローマ法王になる日まで』(15)、『愛を綴る女』(16)、『永遠のジャンゴ』(17)、『未来を乗り換えた男』(18)など。

ジャウメ

ジャウメ ジョアン・ボテイ Joan Botey

化学・農業学のエンジニア。1970年代から90年代までプラスティックと塗料産業で化学エンジニアとして勤務していた。父親から引き継いだ、カタルーニャ地方のエンポルダに位置する美しく広大な私有地Fitorの所有者であり、そこが映画のロケ地となった。Fitorではコルク生産、狩猟、観光、ハイキングを行うなど、自然と社会へユニークなアプローチを行っている。また生物の多種多様性についての著書も出版。そこには彼の水彩画も収録されている。『ペトラは静かに対峙する』で初演技を披露した。

マリサ

マリサ マリサ・パレデス Marisa Paredes

1946年4月3日、スペイン・マドリッド生まれ。スペインを代表する女優。『ハイヒール』(91)、『私の秘密の花』(95)、『オール・アバウト・マイ・マザー』(99)、『トーク・トゥ・ハー』(02)、『私が、生きる肌』(10)など、ペドロ・アルモドバル監督の作品に多数出演。その他の代表作は、アルトゥーロ・リプスタイン監督作『深紅の愛 DEEP CRIMSON』(96)、ロベルト・ベニーニ監督作『ライフ・イズ・ビューティフル』(97)、ギレルモ・デル・トロ監督作『デビルズ・バックボーン』(01)など。数々の女優賞を受賞し、2000年から2003年までスペイン映画芸術科学アカデミーの会長も務めた。2018年に名誉ゴヤ賞を受賞。

COMMENT

何を感じ、どう悟ればいいのかしら?!人それぞれの切り札の使い方。憎々しい男を巡る人間模様のパズルが埋まったようなバラバラになったような……。雄大な景色の中の絶望は人をちっぽけにしてしまった。不思議なEND(エンド)になぜか安堵(アンド)した私。

萬田久子(女優)

キメ細かい人物設定、過不足ないシナリオ、お見事。パズルがぴったり嵌る感じ。さらに個人的感想言えば、初の演技という素人オッサンの吐き気を伴う存在感がスゴい……。

会田誠(美術家)

浮遊するカメラは神なのか悪魔なのか?愛なのか試練なのか?運命という見えない糸が観るものを宿命という迷路へといざない、心と体を静かに縛り上げていく。やがて、観ている者が天空へと浮遊し解き放たれた時無常の笑みがこぼれる。

奥田瑛二(俳優、映画監督)

ギリシャ悲劇は究極のファミリー・メロドラマと盲信させる素材を見守る眼の静謐。その澄んだ厳しさに緑、風、自然のおおらかさを拮抗させて物語る監督ハイメ・ロサレス!じわじわと迫りくる才気に陶然と惹き込まれた。

川口敦子(映画評論家)

つらくて悲しくて、でも深くて宿命的で時に素晴らしい人間関係。スペイン映画の真髄を見せつける傑作。

佐々木俊尚(ジャーナリスト)

"上級国民"の手強さは日本もスペインも同じ……。どうやったら立ち向かえるのか、この映画にヒントが隠されています。

辛酸なめ子(漫画家、コラムニスト)

ミノタウルスのような怪物的男の王国に果敢に侵入し、真実を求めるペトラ。彼女はテセウスの助けを借りず、自らがテセウスとなって怪物に立ち向かう。虚偽を見抜こうとする彼女の勇気と眼差しの美しさが印象的だ。

野谷文昭(東京大学名誉教授・スペイン語圏文学)

ピカソやガウディを生み出したスペインのバルセロナがあるカタルーニャ地方。その美しい風景の中で繰り広げられる人間模様。ヒロインはアーティストとしての新たな領域を生み出す苦悩と自身のルーツを探していく。淡々と過ぎていく日常と異常な事件。それぞれがアートを追求していく異なるプロセスも興味深いものがある。

和多利浩一(ワタリウム美術館 代表)

視覚はこんなに孤独で静かなのに心はザワザワとコルチゾールが出まくる…。作品の出口まで…あなたもきっと面白いはず!私はもう一度観たい(笑)

風吹ジュン(女優)

小説仕立ての実験的なアプローチが、本作をより面白く魅力的にしている。

Sight and Sound

緻密に計算された構成が観る者を不思議な迷宮へと誘う。

El Mundo

現代におけるギリシャ悲劇。必見!

Macguffin007

THEATER

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